タグ別アーカイブ: 自分の居場所を探す時

ポルノグラフィティ 『EXIT』 信じるものに出会えぬ孤独と望みを持った曲

exit ポルノグラフィティ

2011年3月2日にリリースされたポルノグラフィティの32枚目のシングル
信じるものに出会える可能性を探ったダークバラードです

「EXIT」とはいえそれに向かう一心はあれども、到達できなもどかしさを表した、疾走感というよりは堕落性をもった曲です

到達すべきは「人を信じる自分」
地下鉄で広がる他者の受け入れられない言動にうんざりするも
その中で自分が到達できる出口を探す途切れそうな継続力も持っています

ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』主題歌であり
同作品の「この時代に信じるに足るものはあるのか」というテーマに合わせてつくられた曲です


地下で起こる信頼を巡る拠り所さがし

PVも同じく地下鉄を背景としていますが、この風景は観念的なものを表しており
自分が信頼に足るものを探し、幻滅してはまた探しの繰り返しを表す葛藤を描いています

他人という信頼のおけない存在がめまぐるしく出入を繰り返す地下鉄の流動性に嫌気がさしそれに乗車すらできずにいるとも
ただ少しの可能性を残して自身もそれに乗れる日を待つ、そういった切なさと哀愁が秘められています

サビの「言葉」は日常にある否定的な発言の数々、その上っ面の塊のような存在から果たして自身が身を委ねられるものを探り当てることはできるのか
孤独感からの脱出を図りたい一心ですね


歌うなら?

上記のようなコンセプトをもっており、その誰もが持ちうる孤独感に耐えきれずサビの出だしから段階的に高音で攻める構成は切望を表しており
そういった思いを乗せて歌うことが哀愁をもって曲の雰囲気にマッチすることとなります

「出口」とはいえどもそれになかなか到達できない、それでも待ち続ける自分がいる
そういったジレンマも抱えながらAメロでは静かに、サビでは吐き出すように曲を表したいです

あなたが信じることができるものは今ありますか
そういったことを再認識させるのにふさわしい曲です
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一青窈 『「ただいま」』 帰る場所の存在の重要性を考えさせる曲

ただいま

2007年12月5日にリリースされた一青窈の10枚目のシングル
曲名通り、自分が帰る場所の存在の大切さを認識する曲です

ピアノ伴奏の明瞭な鍵盤音から始まり、合唱コンクールにふさわしそうだと思いきや
曲のコンセプトを伝えるためのサビのメロディとテンポが結構複雑でやはり向かないかなと思いつつも脳内をグルグル巡るような旋律は特徴的です

タイトルは帰宅時の掛け声「ただいま」と今ここにいる自分「ただ、今」の2つの掛詞となっており
ただいまと言える場所がある自分の今の状況を改めて実感する重要性の強調がうかがえます

ドラマ『愛のうた!』の主題歌であり
複雑な家族関係の中親子の絆を育み、真の意味での自分の場所をつくっていく展開に曲がマッチしています

ちなみに同曲のタイトルは鍵括弧をつけるのが正式であり、「ただいま」と表すのが適当です


情景を表す歌詞と心に残る短調な旋律が印象的

歌詞自体はメッセージをそのまま伝える手法はあまりとられず
情景を表しそこから当事者の現状や感情をイメージするやや小説的なつくりとなっています

「運命につねられた赤い目のわたし」「別々の電線で2人、して口をつぐみ」のように
思った通りにいかず目を真っ赤にして泣く姿と2人が違う電車に乗っているように思いをひとつにできず、それを是正しようにも開口できずにいる

しかしやはり自分が帰れる場所の存在を欲しており、それは直接的な意味の家であることが表面的ですが
実際は心の拠り所、家族や親しい友人など、人の心の中にその居場所が存在することこそ重要と言えます

つまり一口に「帰る場所」といっても、それは視覚的なものではなくあなた自身が相手の帰るべき場所自身であり、逆もまた然りである
そうやって相手の拠り所となりなってもらうためには、長い年月をかけた信頼や家族愛などがあってこその賜物といえます
それが悲観や叱咤こそあれど、それら全て含めて「愛」といえる行為であるのが理想なのでしょう

そういった複雑な心中を表現するようなメロディが本作品で奏でられているといえます


歌うなら?

こういった情緒的なメッセージソングは、自身の経験を乗せて歌うのが最もそれらしく響きます
相手との気持ちの行き違いは不完全な人間であればだれでも体験するもの
それでも改善していきたいと奮闘していた自分のあの頃を感慨深く思い出せば、それがこの曲の持ち味となります

友達、恋人、大きなところでは家族、自分の拠り所を思い出してそれを表現していきたいです

この曲はサビの音程の揺れ幅がとても大きく、心情を乗せつつも音程はできるだけ外さず
必要ならば曲のテンポを自分なりにズラしてもよいので音階にはある程度忠実でありたいです

またテンポを遅めにズラすとその曲自体に重みが加えられるので
コンセプト的にもさらに味のある曲調となりむしろ一石二鳥といえます

帰るべき場所の存在を改めて考えさせるこの曲
そんなドラマチックさは自分に自信をもつことにも一役買ってくれそうです

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