タグ別アーカイブ: 和を味わいたい時

KinKi Kids 『Harmony of December』 冬の安らぎを滑らかに表現した曲

Harmony of December

2006年11月29日にリリースされたKinKi Kidsの26枚目のシングル
相手への想いを伝える冬の静けさを思わせるバラードです

激しさはなくゆったりとした滑らかさを持った曲であり
少しアジア的な前奏とメロディが印象的です

ジャケットやPVには二人の絆を表すメッセージとして作成されており
PVにおける宇宙空間でともに食事をする姿は、広大な空間で共に同じ時を過ごすパートナーシップを意識したとのコト

また10周年直前を意味する上で時計の針が10時直前をさしています


珍しく民謡に近いメロディにも冬の静けさは漂う

二胡から始まるイントロは雅な雰囲気を思わせる点で通常より特異性を持ちますが
その分奥行きとゆったりとした空間を与え、冬のしんしんと降る雪のムードを表す方法としてもおもしろいです

またサビのテンポやメロディからもそういった面影が感じられますし
落ち着きある歌謡に近いその雰囲気に癒しを覚えます

まさに調和のとれた12月の背景を表す安らぎの音色ですね


歌うなら?

両者の丁寧なムードづくりのための歌声、ゆっくりと雰囲気を作り出す歌い方は序盤から既に見受けられますし
歌詞を包み込むように優しく歌うことが出だしの時点から求められます

音程や音域に関してはそれ程難しくはないですが、民謡に近いその雰囲気づくりは優しさを表現する手段として少し異質であるため
ゆりかごのようなささやかな揺れを感じながら音色を切らず続けるように歌を進めていくとそれらしい曲調がつくれます

音符ひとつひとつがスラーで滑らかに表現されるように、曲に一律性を持たせたいものです

12月に起こる静けさと優しさを独自の表現で築いたこの曲
冬のゆったりとした感じに暖かみも覚えるのではないでしょうか


切ない曲をさがす

サカナクション 『夜の踊り子』 和風で不可思議なサウンド溢れる曲

夜の踊り子

2012年8月29日にリリースされたサカナクションの7枚目のシングル
和を思わせるサウンドとスタイルに加え曲の展開が特徴的です

現代的和風サウンドが全体的に奏でられており
イントロのメロディも舞いを想像させる音から始まります

MVもメンバーが旅芸人に扮し、あえて正装ではなく少し着崩れた衣装とメイクが見て取れますし
メンバーの前にはダンサーとして日本舞踊家2名が登場しています

場所が富士山の麓であるのも日本を特徴づけています

カメラワークは途中で登場する女子高生の視点に見立てたものであり
サカナクションと彼女のMVにおける関係性が意味深なものにとらえられます

『大阪モード学園』CMソングであり、途中から登場するサビ2が起用されています


各フレーズが持つ特徴と展開力に興味

サカナクションのフレーズ毎に色を変えるという手法は他の作品でも見て取れ、今回でも遺憾なく発揮されています
各フレーズが独特の雰囲気を持つもひとつの曲として集約された絶妙さをもち
しかしつかず離れずの関係でひとつの曲として仕上がりを見せています

AメロBメロは弾むような軽快さを見せますが
Cメロは追い込まれるような重いサウンドに一転し
かと思えばDメロ(サビ2)ではその2つの側面を混ぜたような、CMでお馴染みの旋律が流れます

ほとんどが裏声なので重みは少し消え、少し奇妙さすら覚えるメロディです

MVと合わせてご視聴あれ


歌うなら?

サカナクションワールドが間断なく施されたこの曲、曲調に合わせて歌い方を変える正統性でいくべきかは少し疑問です
例えばAメロBメロは比較的静かに、Cメロは騒いでDメロは不思議さ醸し出す歌い方をする
通常はこれでいけるのですが、各フレーズが何を表したものなのか、その真相が不確かであるため
若干のテコ入れや自分が思った雰囲気で歌うのがミステリアスさを表現できてよいかもしれません

おそらく軽い重いというよりは、不思議な感じを各所で出せればそれがこの曲だといえますので
メッセージ性うんぬんよりとにかくフワフワした独自の世界観を演出できるのが歌い方として適しているかと

ある意味感情なくサウンドの赴くままに従った歌唱がふさわしいのでは

とはいえせっかくMVに舞踊家が登場するため、どこか小奇麗さや奥ゆかしきさも出したいものです
つまり雑に歌うのではなく、歌に矜持を持たせるような感じが望ましいです

この世界観に酔いしれはすれど歌にするとなかなか難しいこの曲
まずは自身全身でこの曲を味わってみるのはいかがでしょうか

iTunesで夜の踊り子をさがす


幻想的な曲・ミステリアスな曲をさがす

トップへ戻る