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平井堅 『fake star』 スター目線から孤独感を綴ったダークナンバー

fake star

http://youtu.be/TZ2u-iMf0qE

2007年9月12日にリリースされた平井堅の27枚目のシングル
世の中に蔓延る偽りをスター目線で紐解くようなアップテンポなダークナンバーです

平井堅自身多くのヒット曲をリリースし、今やスターといえる存在ですが
そういったポジションにおいて感じる孤独や偽りの感覚といったもののも従来とは違った形で存在します

スター目線で描かれる歌詞にも、他者と行き着くところは同じようなそういったマイナスな心境をシンクロさせ
位置は違うとも荒んだ感じは類似している、そういったギャップと同一視の両側を捉えた作品だといえます

曲調もかなり挑戦的に変化に富み、危機感をも募らせるような不安が漂うシーンも見受けられます

明治『Fran』CMソングでもあります


fakeは自分自身?ミステリアスな曲調と意味深な歌詞が特徴

前奏から怪しいアコギの旋律と声色が今までにはない雰囲気を持ち
Aメロ後半からBメロにかけては不安を煽るような曲調があり

間奏においてはジャズのような演奏があるなど、かなり変動的であるといえます

歌詞ではスターであろうがなかろうが詰まる所自分が求めているものに対してそれは偽りであり
それが「you」であったり「me」であったりなど、誰しも抱える可能性のある状態であることが窺えます

「wanna be a pop star」という歌詞からも、現状の違和感に気づき抜け出したい思いを持ちますし
平井堅自身がリリースした「POP STAR」から持ってくる点も興味深いです


歌うなら?

裏声を用い、感情を持って歌うもかなり音程が右往左往するのが特徴であり
さらにそれに必死についていく姿はなく、余裕をもった歌い方が必要なのが少々難関

なんたって歌い手は皮肉にもスターであり、偽りにいたたまれない思いがあろうともそれを聴衆に見せてはいけない
プライベートすらきりもりする存在であるが故、そこに全面的な憤りや疲労を見せるのはこの曲らしくないのです

やりきれない思いを匂わせつつも、それを隠している、そういった雰囲気を漂わせながら歌う微妙な感じがふさわしいといえます

これが平井堅の持つ、静かだが臨場感溢れる歌い方にフィットしているため
冷静だが冷静じゃないニッチなニュアンスを意識して歌に臨みたいところです

どういった立場でも抱える問題
スターの立場から味わう体験、考えながら聴いてみてはいかがでしょうか
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