鬼束ちひろ 『infectinon』 自己否定から始まる悲しいバラードソング

infection

2001年9月7日にリリースされた鬼束ちひろの5枚目のシングル
哀しすぎる旋律と力強さに心揺れるバラードです

人の陰の部分を表し、それを認めることが人の進むべき道である
一種の自己否定をインパクトある言葉を織り交ぜて表現しています

この曲の発売4日にアメリカで同時多発テロが勃発
当時曲の歌詞である「爆破して飛び散った心の破片」がまるでこの事件を予見したかのような印象を受けるおそれがあったため
急遽PV作成を11月まで見送る結果となっています

PVはロンドンで撮影されたのこと


サビのメロディにグッとくるものがある

歌詞の否定的な言葉も印象的ですが、特に同曲はサビの繰り返しが多くそこの歌詞も衝撃的であるため心に残ります
サビの旋律は段階的に音程をあげることによる曲の盛り上がりを効果的なものにしており
各所においてメッセージ性が強く、それを繰り返すことは更に人々の脳内にそのインパクトを植え付けることができます

さらにボーカルの力強い歌唱が言葉に更に重みを生んでいるのも事実です

最後のサビでは転調があり、歌詞における言葉の繰り返しが盛り込まれているのはより一層衝撃を与えます

infectionは日本語で「感染」であり、心の弱さが他者から広がってきたものか、はたまた自身がもつその一部が全身に広がることを表すのか
またそれを乗り越えることにより次は強さを感染させていくのか、様々な意味合いがありそうです

ドラマ『氷点2001』の主題歌でもあります


歌うなら?

正直歌というよりは何かしらの演劇を思わせる鬼束ちひろの作品の数々
自身歌詞に共感を得、心の叫びのようなイメージを持って歌わないと表現はなかなか難しいでしょう

曲調としてはAメロ・Bメロは静かに、サビは力強くというシンプルな構成ですが
その表現が極めつけであるためかなりオーバーに演じても足りるかどうか、そこが彼女の作品の真骨頂といえます

スローペースでかつ重要なワードがサビに盛り込まれているため
ひとつひとつ発音を明瞭なものにし、言葉の重みを伝えるかの如く発声したいものです

自己否定から始まる新たな道のりを感じさせるこの曲
鬼束ちひろワールドを味わいたい方にオススメです

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