タグ別アーカイブ: 都会の喧騒を感じる時

矢井田瞳 『37.0℃』 熱りと冷めの二つを持った悲観ソング

矢井田瞳 37.0℃

2006年11月22日にリリースされた矢井田瞳のアルバム『IT’S A NEW DAY』収録曲
暗い雰囲気に自我がとぶような刺さる歌詞を多く含んだ曲です

最初は静けさ、徐々に曲のムードが広がる曲構成であり、切なさがどんどん全面に押し出されるような雰囲気を持ちます
歌詞の内容も後ろ向きで複雑なワードが並べられそれらを表現しています

37.0℃はいわゆる微熱、高熱とはいかずとも身体の異常を発する数値であり
これは自分だけでなく自らを取り巻く社会に対しても少し異常な熱りの存在を示唆した多少風刺のきいたものとなっています

2006年6月21日にリリースされた『DEATH NOTE TRIBUTE』にも収録されています


熱があるもどこか冷たさを感じる悲観的ムードが展開

微熱はいわゆる人体の異常を表し、それを全体の問題にシフトしていくことで隠れながらにスケールの大きさを感じ取れますが
内容の箇所に多少の冷たさも感じるところはまた事実です

よくいう孤独や虚無感といった表現は心の冷たさや寒さなどのように置き換えられる点を考えると
熱りと冷めの相反するものを抱えた点でも意味深いものがありますし、歌詞にも「白い」や「氷点下」のようなワードが飛び交います

この二つの側面を同時に持つときも日常においてはありますし
盛り上がっているのだけれども何か心にポッカリ穴の開いた感情、のような表現もよく見られます

熱さと冷たさ、それぞれをある種誤魔化す手段が双方であるとしても、それが行きすぎることによる問題も避けたいものです


歌うなら?

主点としては熱りに不信感を得るも社会の冷たさにもやはり物憂い感じがする
そういったやきもき感、やりきれない感じがこの歌では表現すべきポイントでしょう

曲調に合わせて徐々にムードを出していく感じを意識していきたいです

サビにおいて音程が右往左往し、少し沖縄感も出ていますが、あくまでやりきれない感情を出していきたいので
少し力を抜いて怠惰的な思いをのせると適した歌唱になるかもしれません

自分と社会における問題、熱りと冷めを表したこの曲
共感する場合もありそうですし、是非聴いてみては
iTunesで37.0℃をさがす


切ない曲をさがす
暗い曲・悲しい曲をさがす

レミオロメン 『Wonderful&Beautiful』 車内で描く切ない心境を描いた曲

wonderful beautiful

2007年12月12日にリリースされたレミオロメンの11枚目のシングル
ピアノやギターのせつないメロディ溢れるミディアムバラードです

特に目立った緩急はありませんが、冬の景色ながら暖かさも感じさせるような感じが印象的であり
テンポもそれ程遅くないのですが、聴いていてしみじみする気持ちが増していくようです

高速道路、いわゆる現代の都会を指し示すようなワードが歌詞に多くあり
現代社会における憂鬱と、それに対比した景色と自身の気持ちの変化が効果的に示されているといえます

PVはVo.藤巻が当てもないように車で首都高や野道や山道を走る映像が多くあり
渋滞や果てしない走行はまるで自身の心境の移り変わりや複雑性を表すかのようです

安定した演奏が人々の拠り所となる様

曲の構成としてもAメロ・Bメロ、サビ、Cメロと理に適ったものであり
そこに曲の主立った変調なども特になく、あるとすればVo.藤巻の情緒ある歌い方が目を見張る程度です

曲の展開を期待する人からすれば少し物足りなさもあるかもしれませんが
その安定した曲の流れが、何かしら安寧と安心感を覚え身をゆだねるように聴き続けることができます

タイトルと打って変わってワンダフルさとビューティフルさという派手な印象をかなり控えめに主張するようあり
そのギャップも然りブレないテーゼのようなものがこの曲に安心感を覚えます

派手さを求める場合は他の曲を推奨するでしょう


歌うなら?

この曲は歌う側がその同一テンポに少し飽きを覚えないかが問題となります
曲に対するモチベーションをどこで維持し続けるか、逓減していかぬよう注意が必要です

この曲自体はテーマもしっかりとあり、冬の車内という場面も想像できますし
走行により移り変わる景色に曲の展開を見出すことも可能です

音程を見ても他の曲と比べると比較的歌いやすいでしょうし
車から見える景色と心境の変化という可変的な部分をどう表すかがキーとなります

曲調から一種の安心感を覚えるこの曲
せつなさとブレの無さに酔いしれるためにオススメといえます
iTunesでWonderful & Beautifulをさがす


切ない曲をさがす
感動する曲をさがす