カテゴリー別アーカイブ: 切ない曲

ポルノグラフィティ 『シスター』 リスタートを祈る切ないソング

シスター

2004年9月8日にリリースされたポルノグラフィティの15枚目のシングル曲
どこか西洋の雰囲気を思わせる切ないソングです

ベースのTama離脱後、2人体制となりリスタートをきる際の曲となり、またポルノグラフィティ15周年という区切りにもなった点でなにかと節目になったといえます

「シスター」とはキリスト教における修道女のことであり、禁欲的な信仰生活を送り、清貧・貞潔・服従の3つの誓願の下厳粛な存在として存在します

そういった観点から新たな船出を祈るような曲として捉えることができ、シスターという厳粛な立場からリスタートの決意は相当なものだと思われます


オススメは雰囲気

ドラムロールから始まる出だしから、アコースティックギターをメインとしたその世界観が一貫しており
またメロディも繰り返し使われる部分が多いためなんとなく覚えやすいのではないでしょうか

また教会の金の音の様な響きも流れ新たな門出を祈るような音はまさに始まりの合図を表す様
少し不安定な気持ちとそれを払拭するような明るさを持ち合わせたその雰囲気が好印象です

つまりさっぱりとした始まりを表すものではなく、やはり新たな旅立ちにおける不安や心配はつきもの
それらを少し強めに表現したこの曲は、今までの日常への未練なども少し感じさせるものがあるかもしれません

新しい出発はあるけど、今までの生活も捨てられない、そんなふと後ろを振り返りたくなるような気持ちがよぎりますが、いつまでもそうしているわけにはいかない

とはいえ新たな世界を肯定的に考える程割り切った曲でない点は多少の複雑性を覚えます


歌うなら?

ポルノグラフィティのそういった背景があって故のこの曲、そこを踏まえると更に曲に深みが増します
曲調に合わせて暗いところは暗く、少し明るい場面ではそれ相応の歌い方をするのがいいかもしれませんが
やはり全体的に暗めを強調した方が、この曲には相応しいと思われます

なので語りかけるように、あるいはつぶやくように、今までの自分の日常を走馬灯のように思い出しながら
感慨にふけるように歌うとらしさが伝わります

誰だって今までの生活で戻りたい部分は存在するでしょうし、それを抱えつつ前を向かなければならない
その戒めを理解していれば、雰囲気を味わいつつ歌うことが叶います

シスターという第三者の存在のようであって、実は祈るのは自分自身かもしれない
そんな自分でなくて自分であるような曖昧性も持ちますが、それは表現がいささか難しいかと

ポルノグラフィティの中では比較的高音を使わないため、そういった表現を徹底して行う余裕はあるかもしれません

せつなくなるも、前を向かなければならない、そんなことを臭わせるこの曲
異色の世界観を味わう際にオススメの曲といえます

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シスター

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トータス松本 『涙を届けて』 人の普遍的な悩みとそれを伝える思いを自然に表した曲

涙をとどけて トータス松本

2008年6月4日にリリースされたトータス松本の1枚目のシングル曲
哀愁が存分ににじみ出てくる切ない曲調の歌です

トータス松本がウルフルズの枠からはみ出した楽曲づくりに励んだ結果
ウルフルズのような前向きさを全面的に押し出したようなものではなく、むしろかなり後ろ向きであったりそういった日常が浮かび上がるような歌詞が自然と描かれたとされています

ウルフルズのメンバーであると共に一歌い手であるという視点から見た場合、こういった傾向の曲をつくりあげることがまた別の自分らしさの確立につながるし、幅もきいてくるというもの

とはいえどちらかの優劣を結論付けるなどと論外な議論をするわけではなく
ウルフルズはウルフルズ、これはこれという枠の拡がりを実現した結果
しんみりとした情景を描く悩みつくせぬ思いを表現することとなったわけです

確かに歌詞は「この世のものすべてが…悲しく見えてくる」「ほったらかしの机の上」「笑えないテレビ」など悲観的な部分が多く
そういった悩みにもがくも希望を見出していく様をナチュラルに描いたものとなっています

PVは終始白黒の映像の中で、トータスとチンパンジーが共演してだっこをしたり共に歩いたりなどの多少ほのぼの感を表しています
シリアスな描写の歌詞とは違ったその動物との微笑ましい戯れが逆に何かしらの哀愁を感じさせますし
トータスが持つ普遍的な悩みを一蹴するかのような彼に対する出来事、もしくはチンパンジー自身が希望の源の象徴となっているのか
動物好きな彼にとってはいずれにせよ心の拠り所=希望なのかもしれません

ドラマ『ホカベン』の主題歌であり
人の不変的な悩みがドラマと彼の抱く心情と共通したため楽曲作りも自然に行えたとの事


オススメはサビ

あれだけAメロ・Bメロでやるせなさややる気のなさを見せても、サビでは本当の気持ちを叫び伝えるかのような歌い方が特徴的です
届けるべき「涙」とは、怠惰であってもやはり希望を見出したい、誰かに助けてもらいたい、そんな苦しみと切望の思いに類似したものであり
届けるのは自身であるというより自然に起こる何かしらの力であると考えた方がよいかと

届ける先も、届ける人もわからない、でもなんとか届いてほしい、気づいてほしい
そんな思いが短いサビで伝わってくるようです


歌うなら?

ズバリ2つのポイント、Aメロ・Bメロのやるせなさと哀愁
そしてサビの切望する思い、抑えきれず出てしまった願いをそれぞれ表すことが肝心でしょう

Aメロ・Bメロにおいては、この世にあるものが面白くもなんともなく、そこから目を背けたくなるような心情を出すため
実際に目をつむってみるのもいいです
Aメロのスタッカートはボソッというような一種の諦めの感じを出すのに適しており
ブレスを出して哀愁を出すのもいいのですが、真の気持ちはやはり届いてほしい、となると
少し天邪鬼のような、届いてほしい気持ちを隠し、別にこんな世に届いてほしいことはないというような空元気さも表したいです

Bメロから自堕落さをにおわすようなバックサウンドをはじめとし、その情景を表すワードが連続して登場します
単純に目の前にこういった景色があり、それを続々述べることで自分の現状を伝えるようです

しかし本当は届いてほしい、そんな思いをサビで出すには、多少の力強さとそれが空振りするようなひとりよがりさ、現実と向き合いリアルに伝えたいという静かだが重みのある思いを表現したいところ

サビの序盤では叫びを少しいれ、後でしっかり音程をとって伝えるような歌い方をするとグッド

とにかく各フレーズごとに何を表しているか、それなりの分析が歌唱に必要になってくるでしょう

人が抱える悩みの解決策を簡単に出したくはないが出したい、助けを求めたいという葛藤が描かれた曲
せつなくしんみりとする場合に聴いてみてはいかがでしょうか

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槇原敬之 『firefly~僕は生きていく』 ホタルの刹那さと切なさ感じる曲

firefly-

2008年2月6日にリリースされた槇原敬之の38枚目のシングル曲
夏の終わりを彷彿とさせる、自分が生きるきっかけを見出せるせつないソングです

終始アコースティックとピアノをメインとした哀愁漂う構成となっており
それを夏の終わりと光り輝くもその後の命は儚いホタルを合わせることがその感じを一層惹きたてます

歌詞に関しても、その儚さと日の当たる際の照らす光の淡さを自分の存在と重ね合わせますが
それでも自分の存在価値を見出すきっかけを与えるのもまたホタルであり
まさに今の自分の様であって自分の先を行く存在として、道しるべのようになっています

その歌詞の自己否定の限度と曲調が切なさを煽り
それでも誰かの幸せになれる希望を見出す成長の兆しには思わずジーンとくるものがあります

映画『KIDS』の主題歌であり
PVにおいては小池徹平と玉木宏演じる主人公達のシーンが時折登場します

ちなみにホタルの一生は水中で10ヶ月に比べ、上陸後の飛翔はわずか10日ほど
そんな短い時間でも光り続ける存在であるからこそ、一層の感化と自分への励ましが大きなものとなるのでしょう


オススメはサビ

絶妙なハモリと短調・長調の使い分けが程よいサビのメロディにグッとくるものがあります

またリズムも秀逸であり、個人的には「恐れず」というホタルの感情を表したフレーズと、それでも実は何かしら不安を持ったようなメロディとコーラスの雰囲気が好きです

ホタルがそういった感情を持って飛んでいるならば、ホタルより先の長い自分が後ろ向きでどうする、といったような
不安感をなんとか払拭すべく奮闘するような、そういった感情がメロディにより効果的に抱かれます


歌うなら?

雑味を感じさせない、透明感のあり難なく曲の世界観を出すような声が魅力的の槇原
さらにこの曲は切なさを全面的に押したすような曲であるため、力強さがほとんど不要でしんみりさが必要

ホタルの淡さと自身の悲観的な心情を表すためにも、高音もできるだけしんみりと歌いたいところ
ミドルボイスを駆使するか、無理ならファルセットを用いてとにかく綺麗で憂いのある歌声をつくりたいといえます

それが実は始めから終わりまで継続しなくてはならない点が低音主義者には厄介
またのどを開いた歌い方が特徴的なので、単なるミドルボイスで声を閉めてしまうとこれまた曲調が変わってしまう

まさにあくびをした状態の腹式を維持したいです

儚さを漂わせつつも生きる価値を見出す一筋の光を見出せる曲
今自分が何をすべきなのか、考えるきっかけになりそうな曲です

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レミオロメン 『ビールとプリン』 ささいな日常を幸せに思える切ないバラード

朝顔

2003年11月19日にリリースされたレミオロメンのアルバム『朝顔』収録曲
愛する二人の日常を描いた切ないロックバラードです

歌詞は非常に日常感あふれ現実的
同棲している二人の間でビールを飲んだりご飯を食べたりなどの生活が繰り広げられます

その中でこの些細な幸せに対する不安も垣間見えながら
この時間を大切にしているぬくもりも感じられます

そのサビの盛り上がりからライブでも多く演奏される、シングル以外における代表曲ともいえます


サビの盛り上がりはシングル並、メロディの良さも際立つ

サビの盛り上がりとメロディに共感しやすくグッとくるものがあり、そういった点ではシングル曲で起用される展開の仕方とほぼ同義
初期であるためバックサウンドにストリングスやオーケストラは見受けられないため少々物足りなさは感じるものの
その熱唱振りとドラムの迫力や手数の多さは露わになっています

特にドラムは2回目のAメロでも手数が多く、一時サウンドのメインともなっているため違った側面を見られます

壮大な感じは薄くとも共感できるサウンドと歌詞がファンを呼ぶのでしょう


歌うなら?

出すべき雰囲気は日常感、現実離れしすぎずささいな幸せを楽しめるような、そんな盛り上がりを表現したいです

よってサビのメロディをかなり大切にし、そこで一気に聴かせるようなAメロBメロの溜めづくりも意識したいところ

Bメロとサビの間はなく、スイッチが切り替わるように語りから熱唱へと移るため、ある程度準備をしつつも表面ではそのギャップを見せるようギリギリまで冷静でいたいです

ささいな日常に幸せを感じさせるこの曲
大切な人とのひと時をしっかり味わいたいですね
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Mr.Children 『蒼』 人が抱える自分の弱さを再認識させる曲

sense

2010年12月1日にリリースされたアルバム『SENSE』収録曲
歌詞も曲調も切なく暗いナンバーです

同アルバムでも極めて静かでムダがなく、ピアノとギターのみの演奏となりますが故にそれぞれの存在感は重要
2回目のAメロは口笛で表現され、更に切なさを煽る感じです

メロディもよく何度も聴いているうちにかなりしんみりしてくる曲であり
他曲と比べると地味ですがじっくりくるものがあります


歌詞とメロディから考える「蒼」の意味とは

「蒼」は青よりも青みがかり、一方青はみどりに近い色合いの意味が本来あります
また蒼は色つやがない、あわてふためくさまなども意味し、そういった青よりも感じる深さが感じられます

また古代中国において青が春や若さ表し、いわゆる「青春」という言葉にも使われることから想像はつきますが
年齢的に若くなくてもアイデンティティの確立は難しい、いわば精神的な若さを表し

またそこに深みと重みを乗せるため、意味が近くより重量感のある「蒼」を選んだのでしょうか

そう考えるとこの曲の眼前には蒼一色の景色が思い浮かばれるようです

人生におけるもがき苦しみを各所書き連ねたそのひとつひとつは誰しも共感できそうな経験が混ざっています


歌うなら?

歌いだしからかなりの重みを表していき、臨場感を得るためのつかみに成功しなければなりません
「自分では~」から勝負は始まっているかのごとく、かなり気持ちを込め一語ずつ丁寧に見ていきたいです

心の声のような歌詞が多いため、共感する出来事を思い描きながら感情を込めるとかなりよい結果となるはずです

サビの「ただただ~」は自分の現状に嫌気や倦怠感のようなものがとても表れ、また曲の最高音であるため
叫ぶ気持ちながらもここも丁寧に歌い上げたいです

悲観的ながらも落ち着き丁寧に、それがこの曲の臨場感を出す歌作りになるといえます

かなりのしっとり感を引き出すこの曲
シンプルに静けさを求める場合はオススメです


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矢井田瞳 『37.0℃』 熱りと冷めの二つを持った悲観ソング

矢井田瞳 37.0℃

2006年11月22日にリリースされた矢井田瞳のアルバム『IT’S A NEW DAY』収録曲
暗い雰囲気に自我がとぶような刺さる歌詞を多く含んだ曲です

最初は静けさ、徐々に曲のムードが広がる曲構成であり、切なさがどんどん全面に押し出されるような雰囲気を持ちます
歌詞の内容も後ろ向きで複雑なワードが並べられそれらを表現しています

37.0℃はいわゆる微熱、高熱とはいかずとも身体の異常を発する数値であり
これは自分だけでなく自らを取り巻く社会に対しても少し異常な熱りの存在を示唆した多少風刺のきいたものとなっています

2006年6月21日にリリースされた『DEATH NOTE TRIBUTE』にも収録されています


熱があるもどこか冷たさを感じる悲観的ムードが展開

微熱はいわゆる人体の異常を表し、それを全体の問題にシフトしていくことで隠れながらにスケールの大きさを感じ取れますが
内容の箇所に多少の冷たさも感じるところはまた事実です

よくいう孤独や虚無感といった表現は心の冷たさや寒さなどのように置き換えられる点を考えると
熱りと冷めの相反するものを抱えた点でも意味深いものがありますし、歌詞にも「白い」や「氷点下」のようなワードが飛び交います

この二つの側面を同時に持つときも日常においてはありますし
盛り上がっているのだけれども何か心にポッカリ穴の開いた感情、のような表現もよく見られます

熱さと冷たさ、それぞれをある種誤魔化す手段が双方であるとしても、それが行きすぎることによる問題も避けたいものです


歌うなら?

主点としては熱りに不信感を得るも社会の冷たさにもやはり物憂い感じがする
そういったやきもき感、やりきれない感じがこの歌では表現すべきポイントでしょう

曲調に合わせて徐々にムードを出していく感じを意識していきたいです

サビにおいて音程が右往左往し、少し沖縄感も出ていますが、あくまでやりきれない感情を出していきたいので
少し力を抜いて怠惰的な思いをのせると適した歌唱になるかもしれません

自分と社会における問題、熱りと冷めを表したこの曲
共感する場合もありそうですし、是非聴いてみては
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椎名林檎 『ありあまる富』 真の富とは?そこから考えが始まる曲

ありあまる富

2009年5月11日にダウンロード開始、27日にCDリリースされた椎名林檎の12枚目のシングル曲
アコースティックを中心とし、富とは一体何か、それを主題とした切ない曲です

序盤よりアコースティックギターとトライアングルをメインに据えた演奏から始まり
その独特な声から切なさ、しかし歌詞には一聴すると前向きさを持っていることがうかがえます

曲の途中までベースが入らず、ドラムもサビまでは入らない構成、曲の重みやリズムを生み出す際に重要なキーカードを途中まで隠しておく手法は、それが入った途端のギャップを生み、曲のインパクトが普段よりも多くあります

エレキも途中まではカッティングによる単発で控え目な役どころでしたが、2回目のサビ終わりとCメロ後の間奏以後重ねて少しづつ盛り上がりを見せ、またサビで落ち着いたあと終盤の聞かせどころとして再度登場します

歌が終わってから余韻に浸る意味で終盤のエコーのかかった演奏がまた刺激的といえます

PVはマンションから屋外へテレビやらベッドやら車やらの贅沢品が投げ飛ばされ
更に途中で爆発するというなんとも衝撃的なもの

そして地面へと降り注ぐ破片は等しく綺麗な結晶となり、皆がモノとして持っている富の結末を表しています

ドラマ『スマイル』の主題歌でもあります

オススメはPV、歌詞

PVに関しては上記の構成であり、メッセージ性が強いのでぜひみてもらいたいです

そして歌詞についてですが、問題性はあまり投げかけずにいきなり結論をにおわすようなフレーズから始まります
「僕らが手にしてる富は見えないよ」つまり人の中にある価値観を真の富としていることが既にちらほらうかがえます

歌詞の構築としては問題定義をした後、それをBメロ、サビを通してゆっくり紐解くというストーリー性がある方が首尾よく理解できそうですが
このようにいきなり曲の結論を言ってしまっているのは敢えてなのか、語るに及ばずといったところか

それとも正解に見えて、もしくは正解であるが現実はそうはいかないことを考えさせるためにさっさとテーマを述べているのか
なんにしろ富は金やモノではなく、人の中にある、という大切なことだからこそ、更にその考えを掘り進んでいく猶予をもらっているような感じです

誰しも富はそちらの方でありたいとは思いますが、ではなぜそれができないのか、そこから真の問題提起が始まると考えると
この曲やはり大きな問題の序章を仄めかしている、あるいはきっかけになるかもしれません

富の考え方が構築したのなら、それをどう現実に切り開いていくのか、それが重要といえます


歌うなら?

椎名林檎の鋭い歌声は特長的で歌詞を聴かせる耳にしてくれますし、訴求力もあります
では、それをどう表現するかというと、非常に難しいです

女性ならまだしも、男性がこの音程を出すにはミドルボイスを多用し、裏声はできれば控えたいところ

表現としては「僕」及び「君」と「彼ら」の状況がわかり、思い浮かぶようにしたいです
彼らは富をカネやモノとしており、僕や君は富を人の中、価値観としている
それを僕と彼らでしっかりと対比し、考え得る富をしっかりと比てもらえるようにしたいです

「彼ら」と言っている点から視点は「僕」
「僕」が考える富についての主張をリスナーと共感できるよう、歌というよりは役に徹したいところです

そうして「僕」に扮することができれば、この曲の曲らしさを少しは出すことができるかもしれませんが
個人的にはこれは問題提起であり、ではその富の考えを社会に浸透、または再認識してもらうにはどうするか
そういった点も踏まえ、あまりこの曲で解決だ、というハッピーエンドさを出し切らないようにもしたいです

まぁそれ自体は曲の終局の演奏である程度見出されているかもしれません
本当の意図はなんともいえませんが

富とは何か、それを考えさせるこの曲
メッセージ性の強いPVと合わせて是非聴きたいです

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レミオロメン 『Wonderful&Beautiful』 車内で描く切ない心境を描いた曲

wonderful beautiful

2007年12月12日にリリースされたレミオロメンの11枚目のシングル
ピアノやギターのせつないメロディ溢れるミディアムバラードです

特に目立った緩急はありませんが、冬の景色ながら暖かさも感じさせるような感じが印象的であり
テンポもそれ程遅くないのですが、聴いていてしみじみする気持ちが増していくようです

高速道路、いわゆる現代の都会を指し示すようなワードが歌詞に多くあり
現代社会における憂鬱と、それに対比した景色と自身の気持ちの変化が効果的に示されているといえます

PVはVo.藤巻が当てもないように車で首都高や野道や山道を走る映像が多くあり
渋滞や果てしない走行はまるで自身の心境の移り変わりや複雑性を表すかのようです

安定した演奏が人々の拠り所となる様

曲の構成としてもAメロ・Bメロ、サビ、Cメロと理に適ったものであり
そこに曲の主立った変調なども特になく、あるとすればVo.藤巻の情緒ある歌い方が目を見張る程度です

曲の展開を期待する人からすれば少し物足りなさもあるかもしれませんが
その安定した曲の流れが、何かしら安寧と安心感を覚え身をゆだねるように聴き続けることができます

タイトルと打って変わってワンダフルさとビューティフルさという派手な印象をかなり控えめに主張するようあり
そのギャップも然りブレないテーゼのようなものがこの曲に安心感を覚えます

派手さを求める場合は他の曲を推奨するでしょう


歌うなら?

この曲は歌う側がその同一テンポに少し飽きを覚えないかが問題となります
曲に対するモチベーションをどこで維持し続けるか、逓減していかぬよう注意が必要です

この曲自体はテーマもしっかりとあり、冬の車内という場面も想像できますし
走行により移り変わる景色に曲の展開を見出すことも可能です

音程を見ても他の曲と比べると比較的歌いやすいでしょうし
車から見える景色と心境の変化という可変的な部分をどう表すかがキーとなります

曲調から一種の安心感を覚えるこの曲
せつなさとブレの無さに酔いしれるためにオススメといえます
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L’Arc~en~ciel 『叙情詩』 壮大な世界観の心情を描くバラード曲

抒情詩

2005年5月18日にリリースされたL’Arc〜en〜Cielの27枚目のシングル曲
切なさと壮大なスケールの世界観をもつバラードです

叙情的とは感情を表し述べることであり、特に音楽においては「もの哀しさ」を表すのにも用いられ
叙事のような事実や事柄などをありのままに述べることとは対義的に使用されます

その意味の通りこの曲はVo.hydeの持つ心の世界観を惜しげなく表したような曲であり
そのスケールや心情が曲調から聴きとれます

以前にリリースされた『瞳の住人』に次ぐスローテンポな曲であり
あちらと比べると音程の幅は小さく派手さには欠けますが

短調なサビのメロディとpvを合わせたスケール感は他曲とは一線を画していると思えます

オススメはPV

この曲で大変高い評価を受けるのがPVです

ルネサンス期及びロココ期の、当時の西洋美術が多数用いられ
この曲の世界観を一層広げるものとしています

代表的な作品として最初のサビではヴェチルーベンスの「三美神」やブロンズィーノ『愛の寓意』
2回目のサビはトマ・クチュールの『退廃したローマ』などが用いられている模様

更にhydeの心情を写真の中に入り三次元的に味わう手法がとりいれられ
二次元の芸術を文字通り多角的に見ることができるのも効果的かつ幻想的であり
PV自体が一種の芸術として完成しているようです

この作品自体は平成17年度の文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選ばれています

歌うなら?

本人の感情は本人しか表すことができないように
hydeの感情を表したこの曲はhyde自身しか表現できないのでは?とも思えます

ラルクは独特な溜めとファルセット、チェストボイスを用いるため
それが早い曲ならまだしもこの曲のようにゆったりと聴かせるということになると至難

この高尚な曲をどう表すかというと、これはもう自分の叙情的な部分を出して歌うほかありません
シンガー各々の感情に身をゆだね、それが吉と出るか凶と出るかはリスナーの感想を聞くまでわかりません

サビはのどを開いた聴きごたえのある歌いかたとファルセットを用い、自分なりの世界観で試してみましょう
これだけ壮大なPVとはいえ、一人の人間の心情であるなら、それを広げるには必要なのは経験と想像力です

人の心情とはいえ、壮大なスケールを描いたスローバラード
聴いていないひとは是非PVと合わせて聴いてみてください

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BUMP OF CHICKEN 『ギルド』 仕事とは?社会とは?自分の現状を考える曲

ギルド

2004年8月25日にリリースされたBUMP OF CHICKENのアルバム「ユグドラシル」収録曲
ミディアムテンポで他国感の強い世界観のあるこの曲、好きな方も多いのではないでしょうか

コンセプトとしては社会人として勤める「仕事」についてを描いた曲であり
タイトルの「ギルド」も中世ヨーロッパにおける同業者組合を意味しています

「人間という仕事」という、あたかも人間でなかった者の目線から仕事についてを綴っているように見えますが
その仕事自体がよからぬものであり、それをさも「人並み」のように思わせる「仕事」とは、結局自分たちにとってどういう価値があるのか
仕事が持つイメージの断定はしておらず、どっちともとれるような歌詞ですが、おそらく答えは出ているものと思われます

バックサウンドとしては炭鉱で働いているような金属音が流れており
あまり日本を思わせない感じがタイトルからも想像できます

BUMPはこういったファンタジー色の強いものをよく歌いますが
仕事に関する一種の叙情はよく働く日本人をモチーフとしているのでは
少なくも日本で歌う曲ならば日本人が共感を得られるようにすることが前提となりますが

ジャケットは人形のであり、2006年9月には映像作品「人形劇ギルド」もリリースされています


オススメは歌詞

学生の最中バイトをしている者ならまだしも、無邪気に遊ぶ子供にはあまり共感が得られにくいでしょうが
BUMPがあまり狙わない層である大人だったり、実際に働いている人からすれば現状を再認識させるきっかけになるかもしれません

とはいえ決して仕事自体にいちゃもんをつけるわけではなく、本当にそれが自分の目指していたものなのか
イエスならばそれでよく、少しでも疑問に思った人に対してこの曲は聴かれるべきなのでしょう

「汚れちゃったのはどっちだ 世界か自分の方か」
世界とは自分を取り巻く社会、そこで仕事をする自分に問題があるのか
それとも仕事というシステム自体に問題があるのか

「それがすべて 気が狂うほどまともな日常」
そういった仕事の繰り返しに疑問を抱いても、自分にとってはそれが日常であり
日常という普通なイメージの言葉が実はそれ自体おかしかったという矛盾を表しています

ただ世界にまともなものは実はなく、じゃあ何がまともなのかというと
自分がしたいと思うことが、道徳性を保持しつつ達成できる社会であったり、自分の人生であり
それがどんなに突拍子がなくても、それが自分の望み=まっとう(まとも)なものであるという意味なのでしょう

「人間という仕事をクビになって」という、一見否定的なイメージの言葉を使用していますが
それが実は本人にとっては否定したいことではなく、むしろ肯定すべき場面にとれなくもありません

それが能動的な辞職なら進むべき道は決まっているといっていいでしょうが
受動的な辞職、つまり本当にクビになった場合は、それが望んでいたことなのに、人はそれを悲しむ
やりたくない仕事なのに、いざクビになると稼ぎが途絶え、つらくなる
そんな感情少しずつ刷り込まれていくことが気が狂っていると揶揄される程の日常と化しているのでしょう

なにがいいのか、なにが悪いのかはともかく、自分が今ある立場が本当に求めていたものなのか
それを「仕事」を題材としてこの歌詞が載せられているのでしょう


歌うなら?

この曲は決して100%前向きであったり、100%後ろ向きであったりというハッキリとした曲ではありません

仕事に翻弄された結果、どちらがいいのか判断がつかないが、各々の解釈で判断はしてもらいたいという
一種の決断された迷いのようなものを感じさせる曲であります

故に悲しすぎず、楽しすぎない微妙な感情の歌い方が必要であるため
多少元気さを抑えた感じで歌うのが相応しいといえます

いくつか問いかけのような歌詞が多く、それを歌い手の経験に載せて歌えば、実は十人十色な曲に仕上がる可能性もあります
歌い手が今まで経た経験が実をこの曲に載せると多用な考えが現れると思われます

あまり高音な場面はありませんし、Aメロも基本的に低め故、歌いづらいということはないでしょう
問題は歌詞の深さといろいろな解釈をどうするか、それこそ考えすぎず自分の思う決断や迷いを載せればよいかと

自分の現状や社会について考えさせられるこの曲
決して否定的にならず、自分の今後も踏まえて客観的に考えるきっかけになればよいと思います

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